各社インプラント体に差は有るの???

『世間では、インプラント治療費に差が有る様だけどインプラント体のメーカーによってインプラント体の成功率に差は有るの???』と言う質問に答えるよ。

どの製品のインプラント体を使用しても、長期的な予後の差を裏付ける臨床疫学的なエビデンスは無いとの結論を国際的なEBMの推進団体であるコクラン共同計画がしめした。

コクラン共同計画の中で歯科口腔関連の調査研究を実施するオーラルヘルスグループに属するマンチェスター大学歯学部のMarcoEsposito主任講師(口腔顔面外科)らによるイギリス・オーストラリアの共同調査。コクラン共同計画電子版報告の2014年7月22日版に発表された。各社製品のデータベースを基礎資料として無作為化比較対象試験(RCT)のレビューを行ったもの。

1980年代から2014年に報告の有った1512人(3230本)の症例を検討対象としてインプラント体の形状・表面正常などが予後に影響した事を示すエビデンスの強さを検討したが、製品による有意差を指示するエビデンスは認められなかったと判定した。

RCTを含む論文検証のなかで特に問題になったのは、インプラントフィクスチャー表面を粗面処理したモデルが、削り出し滑沢な表面のモデルよりもインプラント周囲炎による骨吸収を起こす傾向にあるかの議論があるのね。

日本でも『サンドブラストや酸エッチングや陽極酸化メッキなどの表面処理を施すようになってからインプラント周囲炎が増えた様な気がする。』と感ずる臨床医も居ると思う。

検証の結果、滑沢な表面のモデルの方が早期に脱落する傾向が認められたと言う。また各メーカーの出す様々な論文に対象者が少なすぎたり、フォローアップ期間が短すぎたりと言う問題を指摘して結論にバイアスがかかっているリスクが高いと論評している。

しか国際誌『DentalTribune』電子版の8月12日号にこの調査を受けノーベルバイオケアとストローマンの2大メーカーの研究担当者への取材記事を掲載された。それによると『インプラント各社は、毎年新製品が出るたびにより高い臨床的効果を宣伝するが、大きな違いは無い事が分かった。』との見解を示しているのね。

つまり現在世界中に20数社のインプラントメーカーが有るが、骨との結合度に表面形状の差は、無いと言う事なのね。

去年1年間の統計に寄ると世界中で50万本のインプラント体が取引されたがそのなかで大学関係・アメリカ・日本・ヨーロッパ・インプラント学会専門医の手術したインプラント体が10万本だと言う。

つまりは残りの40万本は、メーカー主導の研修会に出ただけで手術をしていると言う実態の方が患者さんにとってとても怖い事なのだね。

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