循環器疾患を持つ患者さんとの向き合い方について!!!

昨今、高血圧症・心筋梗塞・狭心症・致命的な不整脈である心室細動・心室頻拍などに罹患した有病者が歯科医院を訪れる事が良くある。この様な時に私ら歯科医師側がどの様な対応をしたら良いかを考えさせられたので慶応大学医学部名誉教授、現在国際医療福祉大学教授・三田病院院長で元日本循環器学会理事長の小川聡(おがわさとし)先生の言葉を借りて話して見るね。

心筋梗塞・狭心症・脳梗塞罹患経験者に必ずと言って服用されているのが『ワルファリン』と呼ばれる抗凝固剤でこの薬の特徴として歯科治療特に外科処置を伴う場合は、昔の様に休薬をするとまた飲み始めた時から血液を固めない様にする作用が再開するまで1週間はかかると言う。この間に脳梗塞発症のリスクが上がる為、数年前より日本循環器学会で休薬の禁止令を出した。もし『ワルファリン』を休薬したとしても血液を固める機能が正常に戻るのに4日以上はかかってしまう。ここは私ら歯科医師側の手腕が試される所でもある。

そこで出て来たのが新規抗凝固薬で即効性で半減期が短い事からどうしても出血リスクが高いと予想される手術に関しては、前日に休薬しておけば出血を回避でき、翌日から再開すればすぐに効果が回復すると言う。

唯一、新薬と言う事で開発費が加算されて居る為に少し高価な設定になっている。

不整脈を持つ患者さんへの対応は、不整脈を防ぐ為に『ペースメーカー』や心室細動・心室頻拍など病的な頻脈を自動的に感知して、必要に応じて電気的ショックを与える埋め込み装置を『ICD』と言うそうだが、この2つの装置を埋め込んでいる場合、普通に行う歯科治療は問題ないが『電気メス』を使う場合にのみ注意が必要だと言う。

『ペースメーカー』はプログラミングが変わり正常に作動しなくなる。しかし小川先生によるとそれほど危険な状態にはならないそうだが、『ICD』の場合は、コントロール回路に誤動作が起こり心臓に予期せぬ電気ショック与えてしまうので非常に危険だと言う。

グローブをしないで電気メスを操作すると術者自身が感電する恐れがあるので注意が必要!!!

虚血性心疾患(血液が詰まる事による心臓病の事)は大きく3つに分けられるのね。冠動脈(心臓の表面に分布して心臓に栄養を送る血管)の硬化による狭窄が有ると運動などで頻脈に成った際に一時的な心筋虚血が生じて起こる『狭心症』と血栓などで冠動脈がふさがれ心筋が壊死を起こして生ずる『心筋梗塞』その中間の状態で不安定な狭心症の起こる『急性冠症候群』に分類される。急性冠症候群は、放置すると心筋梗塞になって死亡する事もあると言う。また狭心症の胸痛発作は、脈拍が正常に戻れば数分で胸の痛みは止まるので長時間継続する様であれば心筋梗塞を疑い一刻も早く循環器専門の病院に行って処置をして貰ったほうが良いのね。
突然死の大きな要因に『心筋梗塞』が上げられるが、その他に普段元気な人にも見られる『肥大型心筋症』(緊張、運動によって突然心室細動を引き起こして突然死する)や心臓の弁の機能障害である『心臓弁膜症』がある。統計によると『心筋梗塞』が最も多いそうだ。
それではこれらの虚血性心疾患と歯科疾患との関係を考えて見よう。

下顎の歯が『痛い』『浮いた様な感じがする』と言って見える患者さんが多く居るが、その中に歯や歯肉、歯槽骨に器質的異常を認めない場合、狭心症状の放散痛である場合が有ると小川先生は言う。

この場合は、『胸が苦しい』などの狭心症特有の症状なしに下顎にのみ痛みや違和感が認められるのが特徴なので歯科医師も鑑別診断を間違えない様にしなければならない所なのね。⇒早めに循環器科の医師に紹介する事が患者さんのクオリティー・オブ・ライフに影響する。

狭心症などの心臓の病気なのかの判断が大切になるが、心臓のあるあたりを指で指して『チクチクした痛みがある』と訴える場合は、まず狭心症などの心臓病であることは無い。虚血性心疾患の発作は、心臓をわしづかみされる様な圧迫感が有るので手のひらを心臓の辺りに広げた状態で症状を訴えるものだと小川聡先生は、話している。

歯科治療は外科的処置を伴う事が多い。だからこそ初診時に全身の状態を聞き出し虚血性心疾患患を持つ患者さんには、この様な対応が必要になるのね。

心配な方は、お気軽にお声を掛けて下さい☆彡☆彡☆彡

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